物語
左右に見開き表示/スワイプ・ボタンでめくれます

第一章:はじまりの光
朝の光がガラスを通り抜け、ちいさな白猫が目を細めました。窓辺の花はきらりと揺れ、部屋に静かな色が落ちます。
白猫の両目の瞳は、ひとつは金色、もうひとつは淡い青。その目には、ふたつの世界が見えるのです。
第二章:花の小道
金色の目で見る景色は、はちみつ色の風が吹く世界。花びらは砂糖菓子みたいに軽く、笑い声のように弾みます。
白猫は、小鳥のあとをそっと追いかけ、花の小道を歩きはじめました。


第三章:透明の庭
青い目で見る景色は、澄んだ水の上を歩くみたい。音は静かにほどけ、色はガラスの粒になって空へ溶けていきます。
そのとき⋯木の扉が、そっと開きました。
第四章:扉の向こう
扉の向こうには、月あかりの下で茶白猫のお店が開店しています。花の皿は季節をまとい、犬の皿は寄り添い、時計はやさしく時を刻みます。
「ようこそ、イロノカケラの世界へ」――白猫は、胸の前でそっと手を重ねました。


第五章:色があつまる場所
茶白猫の店長が炎にガラスをゆだねると、透明なかけらが物語を紡ぎます。金色のあたたかさと、青の静寂。 二つの色が重なり合うとき、世界はそっと輝きはじめます。
「この世界のかけらをあなたのもとへ。」
1/5